1.クマイザサ刈払い後の草本,灌木の侵入状況を調べたところ,ササの回復にくらべて草本の発生が著しくなる。2.クマイザサ密生地を火入地拵して,草本に植生転換したヶ所に,2,4-D・2,4,5-T混合粒剤で薬剤除草を行なったところ,エゾヨモギ,エゾノコンギク,タンポポ,ヨメナ,イラクサ等の草本が除草剤によってヒメジオン,コウゾリナ,タンポポと植生の交替が認められた。3. 2,4-D・2,4,5-T混合粒剤の造林木に対する薬害を調べたところ,トドマツでは6月散布の場合薬害が多く7月散布では薬害が少なくなる。樹齢が高くなる程薬害の程度は小さい。カラマツの6月散布は散布量の多い少ないによって薬害のでかたにちがいがありha当り200kg散布では当年伸長主軸の頂端から半分枯死するものが処理本の半数程度であった。樹齢が高くなると枯死数は減少する。8月散布の場合は各樹齢とも,各散布量とも当年伸長主軸の枯死する薬害はなかった。2,4-D・2,4,5-T混合粒剤による林地薬剤除草の効果は大型草本や蔓茎類に効果的であるが,散布期日が7月中旬以降でないと薬害が大きい。
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