本研究では, 購入・着装・廃棄時における被服ディプライベーションに関する方略構造と方略の個人差を検討することが目的である.
本研究では, 244名の男女大学生を対象に, 購入, 着装, 廃棄時の具体的な工夫を自由記述方式の調査を実施することにより収集した.数量化III類を用いて収集した記述内容を分析した.その結果, 購買・着装・廃棄時ともに3軸を見いだした.
そして次に, サンプルスコアをもとにしたクラスター分析により, 各時点のグループの特徴を検討した.その結果, 購買時と着装時は3クラスターに, 廃棄時は4クラスターに分類できた.これらを流行意識, 被服費の違いにより検討したところ, 特に廃棄時における対処方略に差異が見いだされた.被服にお金をかけず, 流行関心度が高く積極的に流行を採用したい学生は, 価格の安い服をセール時などに購入し, 大切に着用し, 廃棄時にはそのまま捨てていることなどが明らかとなった.
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