近年,学術情報サービスには専門家だけではなく一般の人々に対する情報の提供という役割が求められるようになっている。国立情報学研究所では,論文情報ナビゲータ
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について,ファインダビリティ向上を目的とした大規模なリニューアルを行った。リニューアルに際しては,新たなユーザである一般のウェブ利用者のユーザモデルに関する検討を行い,オープン化ならびにウェブ検索エンジンとの連携が必要であるとの結論を得た。これをふまえて2006年から2007年にかけてシステムの改良を行った結果,サービスの利用回数が従来と比較して3〜10倍程度に増加し,
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の知名度を高めることができた。本論文では,学術情報サービスにおけるユーザモデルについて議論するとともに,
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リニューアルで実施したファインダビリティ向上のための具体策とその効果,ならびに今後の展望について述べる。
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