本研究では, すだれ状細平板配列に入射した音波によって生ずる反射音場の解析手法を提案している。反射音場の解析に際しては, 幾何光学的反射を仮定した場合の反射音圧に対する音圧比を音圧反射指向係数として定義し, 使用する。理論解析においては, Fresnel-Kirchhoffの回折理論を用い, 距離などの近似を行わない厳密解と近似を行った近似解を求め, それらの数値解析結果を比較して近似解析の妥当性を考察した。更に, 数種のすだれ状細平板配列を試作し, 室内において実際に反射音場の測定を行った。測定結果は, 細平板配列から送受波点までの距離が板幅の5倍程度から遠方で概ね近似解析結果と一致し, 本研究における解析法の有効性並びにその適用範囲が明らかになった。
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