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Medical Professionalism Projectメンバー
医療の質・安全学会誌
2007年
2 巻
2 号
216-222
発行日: 2007/07/31
公開日: 2011/06/03
ジャーナル
認証あり
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研究報告書・技術報告書
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安部 真理子, 志村 智子, 大野 正人, 若松 信彦, 東恩納 琢磨, 久志 常春, 鍋島 美月
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森下 浩史, 佐藤 慎一, 松尾 匡敏, 佐藤 正典, 山田 勝雅, 逸見 泰久
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将来的な諫早湾の常時開門を見据えて,有明海全域の底生動物分布の現状を明らかにするとともに,それらのデータを常時開門後に実施される生態系影響解析への比較対象とすることを目的として,2021–2022年度は,25年間継続している諫早湾干拓調整池16定点と有明海奥部海域50定点の採泥調査をそれぞれ6月に実施した.さらに,2020年6月の有明海全域調査と2021年6月の有明海奥部50定点で採集した生物試料のソーティング作業を完成させた.これら四半世紀にわたる継続調査の成果を諫早市内で地元の住民を対象にした説明会で発表し,学術論文・報告として公表した.さらに,日本ベントス学会自然環境保全委員会は,これらの論文を引用することで,2022年10月に最高裁判所に対して「諫早湾干拓問題において有明海異変の根本的な解決を求める要望書」を提出した.
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伊澤 雅子, 佐々木 健志, 傳田 哲郎, 小林 峻, 堀江 明香
研究報告書・技術報告書
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琉球諸島の大東諸島において,外来種(タイワンカブトムシ,アシナガキアリ)による在来種に対する影響と在来固有種(ダイトウオオコウモリ,ヒサマツサイカブト)の生息状況を調査した.駆除事業によってタイワンカブトムシによるビロウの食害は抑えられている状況にある.枯死したビロウの特徴としては,植栽木,孤立木であることが挙げられ,一方で幕林内のビロウは食害も枯死も少ない.この点は,今後のビロウ林の再生にあたって配慮すべきであると考える.アシナガキアリは南北大東島全域に分布している.今回の調査からは対象とした鳥類への影響は検出できなかったが,南大東島では甲殻類に対する影響が報告されており,北大東島でも在来アリ類への影響の可能性が示唆された.引き続き調査が必要である.固有亜種のダイトウオオコウモリの個体群は安定していると考えられた.一方,固有種のヒサマツサイカブトは11年間確認されず,絶滅が危惧される.
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菊地 宏冶
研究報告書・技術報告書
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岩田 智也, 竹田 貴晶, 菊池 要典, 森下 新大
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近年,駿河湾のサクラエビが記録的な不漁に見舞われており,その原因の1つとして富士川から流入する濁水の影響が懸念されている.本研究は,富士川水系の濁水の発生源を明らかにするとともに,富士川下流の生物群集に及ぼす影響を評価することを目的に調査を行った.2020年10月以降,延べ346地点で採水調査を行った結果,富士川では降雨に伴って強い濁りが発生し,とくに早川水系支流雨畑川から多くの懸濁物質が流出していることが明らかとなった.この濁りの主体は,粒径が細かい鉱物粒子であると考えられた.濁水が流入する早川と富士川下流域で生物群集(藻類,水生昆虫,魚類)の調査を行ったところ,現存量や多様性,食物網に顕著な変化は見られなかったが,過去のデータが不足していることから結果の解釈には注意が必要である.本課題では,流域ガバナンス構築のための取り組みの一環として,富士川の自然再生に向けた流域ワークショップを2022年7月に開催した.今後も調査研究と対話の場の形成を続けながら,富士川の環境保全活動を続けていく予定である.
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安里 瞳, 高橋 洋生, 戸田 光彦, 戸田 守
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本研究では,絶滅危惧種ミヤコカナヘビの効果的な保全策の策定を目指して,本種の生息密度の地理的配置と,生息地パッチ間の分散の実態を調査することで個体群が維持されるために必要な条件を探ることを目的とした.まず,高密度生息地内において個体の分布を調べたところ,周年あるいは活動が活発な春~秋季にかけて集中分布を示した.次に,この高密度生息地周辺での生息密度勾配を知るために,2020年と2021年の秋季に広域での分布調査を行った.両年で調査した101地点のうち複数の個体が2年連続で確認された8地点はそれぞれ3つの地域にある程度集中しており,それらの地域の間は本種が不在の地域であった.生息地パッチ間の遺伝子流動の程度を評価するためマイクロサテライト解析を試みたが,安定して解析可能な遺伝子座を十分に得ることができず,この点は未解明である.上述した2つの地理スケールでともに個体の分布が集中していることから,ミヤコカナヘビの個体群の維持には生息密度の高さそのものが重要である可能性が示唆された.
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中西 希, 中本 敦, 伊澤 雅子
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ツシマヤマネコが生息する長崎県対馬では,2000年代からニホンジカの個体数が急増し,森林内の下層植生の衰退が目立つようになってきた.下層植生の衰退は小型齧歯類の減少につながる怖れが高いことから,これらを主要な餌とするツシマヤマネコの個体群維持のためには,シカの増加が小型齧歯類に与える悪影響の程度を把握することが急務となる.そこで森林に設置された防鹿柵の内外と,草地及び隣接する森林の2地区4カ所において,2021・2022年の春と秋の計4回,小型哺乳類の捕獲調査を行った.ヒメネズミは柵内外を含め全ての森林で捕獲されたが,アカネズミは防鹿柵内のみで捕獲された.草地ではアジアコジネズミのみが捕獲され,齧歯類の生息は確認されなかった.本調査の結果,ツシマヤマネコにとって最も重要な餌動物であるアカネズミの生息密度は危機的な状況にあることが示唆された.ツシマヤマネコの個体群維持のためには,緊急的な保全策として防鹿柵を設置し下層植生を保持することを提案する.
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西本 孝, 狩山 俊悟, 片岡 博行, 小林 秀司, 託見 健, 布目 三夫, 平井 仁智, 森 あずさ, 丸山 健司, 齊木 孝, 山田 勝, 橋本 智明, 八田 奈穂, 八田 真生, 村上 勇, 塩見 宅栄, 山田 智美, 齋藤 達昭, 有吉 優希, 金子 大輝, 釜井 友紀, 竹門 康弘, 吉鷹 一郎, 森 生枝, Liu Yixuan, 中村 亮太, 脇村 圭, 古川 美由姫, 上西 実, 稲田 和久
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岡山県鏡野町白賀渓谷を囲む山頂域にて,風力発電所建設計画が進められていることを受けて,緊急総合調査を実施した.その結果,この地域は暖温帯域と冷温帯域の境界域にあり,両温度領域に分布の中心を持つ生物群の逃避地(レフュジア)となっているだけでなく,過去のブナ林が作り出した良質な土壌環境を反映して小型哺乳類相は健全に保たれ,多様な環境を反映して希少な鳥類相が多く生息するとともに,豊かな底生動物相が見られること,オオサンショウウオは在来固有種のみであることや両生爬虫類は多くが希少種であること,これらを支える要素として,伏流水が各所で湧出する部分と岩盤や巨石の卓越する部分がモザイク状に併存する特有の環境を維持していることが明らかになった.稜線域での開発は,希少な森林環境が破壊されるだけでなく,下流部への土砂流出および地下水脈の遮断と鬱滞によって渓流の環境が致命的な影響を受ける恐れがある.このため,適正な自然林や草原の在り方を踏まえた長期計画をもとにして再生させ維持することにより,生物多様性の高い地域がこれ以上失われないように配慮することが重要であることを指摘した.
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内田 泰三, 今西 純一, 入山 義久, 小野 幸菜, 橘 隆一, 田中 淳, 津田 その子, 中島 敦司, 中村 華子, 古野 正章, 吉原 敬嗣
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阿蘇の草原再生,地域経済に寄与するために,ススキ等野草地(半自然草原として維持されている牧野)の構成種を地域性種苗として緑化・復旧事業に活用し,流通させることを目指した取り組んだ.生態系に配慮した緑化の推進,地域性植物の活用には地域の生産力,社会全体における価値観の共有化も欠かせない.本活動を多様な主体と取り組む中で,生物や生態系の多様性の保持,伝統的な視点を大切にした持続的な地域管理,地産資材の活用による地域の活性化などを進めている.活動では,阿蘇市波野地区で地域の植物や生活を取り上げた写真展を開催し,緑化に使用する草原植物の種子採取のワークショップ開催などの普及活動,活用が望める緑化植物のススキ,ヨモギ,ヤマハギ,コマツナギ種子採取に向けた調査などの現地活動を地域の方と協力して実施した.採取した種子の阿蘇地域における復旧事業への活用を推奨し,現地導入試験を実施している.また,地域性種苗の使用・流通の拡大に寄与すると考えられる情報を整理して発信した.
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橋本 千絵, 古市 剛史, 竹元 博幸
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本プロジェクトでは,1)森林と野生動物の保護とエコツーリズムの推進,2)改良型かまどの導入による村人の生活の質の向上と森林資源の保護,3)地域住民を対象とした環境教育を3つの柱とした活動をおこなった.1)では,主として霊長類を対象とする生息状況のモニタリング調査と巡視員による伐採や密猟などの監視を行った.2022年7月からメンバー4人を入れ替え,森林に対する地元社会の理解の拡大を目指した.また,地元の森林局が行うチンパンジー観察ツアー対象群も定期的に観察し,適切な観察ツアーの実施についての情報交換を行った.2)については,村の女性グループと協力して,隣接する集落の各戸に改良型のかまどを設置した.現在までに最近隣の村に41個,その両隣の村にそれぞれ5個,合計51個のかまどを設置している.新型かまどの使用状況もできるだけ把握した.3)については,環境教育センターでのフリースクール,図書館活動を継続し,法人会員によるレクチャーを年末に一回開催した.
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萩原 幹子, 鈴木 希理恵
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コンゴ共和国北西部にあるオザラ・コクア国立公園の本部のあるンボモ村は,この数年マルミミゾウによる農業被害が悪化し,食料不足や貧困の原因になっている.農業が主要な生計手段である村で,野生生物と共存する生活を確立するため,獣害防除と収入の向上を核に村づくりに取り組む若手リーダーを養成する活動に取り組んだ.しかしゾウの作物被害や雇用問題などで国立公園と村人の関係は良好と言えず,また村にいる若者たちは学業を中断してしまったり,手に職をつける意志も無いなど,若手リーダーとなる人材を見つけるのは困難であると判明した.短期間で収穫できる作物の試験耕作実習を行い,また観光客への土産物にすることのできる絵画を描けるような才能を見出すための絵画教室,次年度に養蜂家養成塾実施を見込んだ養蜂セミナーの開催を通じて,初年度は村人の独立した収入源創出活動への種をまいた.これらの活動が,現地の慣習でもある家族単位で共同作業を行う方法で,徐々に他の家族にも普及していき,野生生物と共存していける村づくりの一助となるよう継続していく.
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木下 豪太, 速水 将人, 中濱 直之, 大脇 淳, 喜田 和孝, 小山 信芳, Chistyakov Yuri
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アサマシジミ北海道亜種は近年急速に生息域が縮小し,2016年に北海道のチョウ類としては初めて種の保存法に基づく「国内希少野生動植物種」に指定された.本研究では,適切な生息環境の管理方法の模索と集団遺伝学的調査を行った.遠軽町の生息地では,本亜種の保全のための草刈りが実施されている.そこで,草刈りの有無が本種とその資源(食草など)に及ぼす影響を調査した.その結果,本種の幼虫と成虫ともに草刈り区で密度(/m2)が有意に高かった.また,食草であるナンテンハギの開花数も草刈り区で多かった.以上から,草刈りの実施は本亜種の保全に有効であると言える.一方,核ゲノムおよびミトコンドリアゲノムの遺伝的多型に基づく解析により,本亜種は本州・サハリン・大陸の系統とは明瞭に区別できることや,北海道内にも遺伝的集団構造が存在することが確認された.また,本亜種の遺伝的多様度は北海道全体で低く,近年の地域個体群の絶滅によって低下傾向にあることも示された.今後,遺伝的集団構造を考慮した保全管理が推奨される.
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中静 透, 石田 清, 蒔田 明史, 山岸 洋貴, 石田 祐宣, 石橋 史朗, 赤田 辰治, 神林 友広, 齋藤 宗勝, 松井 淳, 神 真波, 平川 久仁夫, 野原 七恵, 須々田 秀美, 渡辺 陽平, 大野 美涼, 板橋 朋洋, 坂田 ゆず
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白神山地世界遺産核心地域に分布する典型的でかつ構造の異なる3つのタイプのブナ林について,動態と更新に関するモニタリングを1999年から行っている.調査は,研究者,地域市民ボランティアや学生ボランティアにより行われており2022年で24年目となる.2021-2022年度も調査を継続したが,新型コロナウィルスの感染拡大だけでなく,2022年には豪雨によりアクセス道路が不通となり,調査を縮小せざるをえなかった.調査が継続できたブナの種子生産や実生の動態,チシマザサの稈動態に関する解析を行い,それらに関わる要因を明らかにした.ブナ実生の生存率は,実生のサイズが大きいほど,また年平均気温が低いほど高く,チシマザサの稈の生存率は,稈の直径が大きいほど,下層植生の密度が低いほど,冬の気温が高いほど高かった.モニタリングの長期継続のために,マニュアルやガイドブックの増刷も行った.
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神山 和夫
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フィリピンのルソン島ベンゲット州において,焼き畑で作られたハヤトウリ畑に植林を行って営まれているコーヒー農園がある.その場所を野鳥の生息地として適した環境に整備するため,野鳥の調査を行い,農園で野鳥を増やすための植生管理のあり方について検討した.新型コロナウイルス感染症の影響で越冬期調査ができなかったため日本から渡って越冬する野鳥の調査は不十分だったが,繁殖期調査ではコーヒー農園では4~20種,自然林では5~23種の野鳥が記録された.昆虫食の種が多いことから,植生管理を工夫して野鳥を増やせば生物多様性を維持しながら,コーヒーの害虫を防除することに役立つと考えられる.コーヒー農園やその周辺ではノゴマやアカモズといった夏鳥が越冬しているのも見つかっているので,持続可能なコーヒー農園は日本の渡り鳥の越冬地を守ることにも役立つだろう.
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廣瀬 さつき, 荒井 一洋, 社本 麗南, 嘉屋 梢, 佐藤 綾乃
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薮内 良昌, 安藤 紀, 千葉 夕佳, 仲村 武蔵
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本宮 炎, 大﨑 壮巳, 足立 龍次, 折井 美由紀, 小林 久哉, 南葉 錬史郎, 土方 希, 折井 千恵子, 宮田 優大, 木崎 忍, 原田 真弓
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渡邊 通人, 天野 綾也, 外川 徳男, 宮下 泰典
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