自然保護助成基金助成成果報告書
Online ISSN : 2189-7727
Print ISSN : 2432-0943
第6期協力型助成 国際的プログラムに関する助成
白神山地ブナ林の100 年モニタリング ―世界遺産白神山地ブナ林モニタリング調査会―
中静 透石田 清蒔田 明史山岸 洋貴石田 祐宣石橋 史朗赤田 辰治神林 友広齋藤 宗勝松井 淳神 真波平川 久仁夫野原 七恵須々田 秀美渡辺 陽平大野 美涼板橋 朋洋坂田 ゆず
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2023 年 32 巻 p. 211-219

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抄録

白神山地世界遺産核心地域に分布する典型的でかつ構造の異なる3つのタイプのブナ林について,動態と更新に関するモニタリングを1999年から行っている.調査は,研究者,地域市民ボランティアや学生ボランティアにより行われており2022年で24年目となる.2021-2022年度も調査を継続したが,新型コロナウィルスの感染拡大だけでなく,2022年には豪雨によりアクセス道路が不通となり,調査を縮小せざるをえなかった.調査が継続できたブナの種子生産や実生の動態,チシマザサの稈動態に関する解析を行い,それらに関わる要因を明らかにした.ブナ実生の生存率は,実生のサイズが大きいほど,また年平均気温が低いほど高く,チシマザサの稈の生存率は,稈の直径が大きいほど,下層植生の密度が低いほど,冬の気温が高いほど高かった.モニタリングの長期継続のために,マニュアルやガイドブックの増刷も行った.

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© 2023 本論文著者
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