クワ未熟葉からの器官形成を明らかにするため、,冬芽内の未熟葉を外植片として用い, BA及びNAAをそれぞれ0, 0.1, 1.0及び10.0mg/
lずつ添加したMS及びB5培地 (各16組合せ) による培養を行った。培養期間は30日とし, 明条件下 (60~80μmol・m
-2・s
-1) 及び暗条件下, 27±1℃で行った。その結果, 不定芽はBA1.0mg/
lあるいはBA1.0mg/
lとNAA0.1mg/
lを含むMS培地 (MS-L9, MS-L10区) のみで認められ, それ以外の区では認められなかった。カルスは, 明条件下でBA0.1mg/
lとNAA10.0mg/
lあるいはBA1.0mg/
lとNAA10.0mg/
lを含むMS培地 (MS-L9, MS-L10区) のみで認められ, それ以外の区では認められなかった。カルスは, 明条件下でBA0.1mg/
lとNAA10.0mg/
lを含むMS培地 (MS-L8, MS-L12区) とB5培地 (B5-L8, B5-L12区) で良好に形成されたが, 暗条件下では, MS培地よりB5培地でカルスの形成が旺盛であった。さらに, 暗条件下のB5培地 (B5-D4, B5-D7, B5-D8区) では, カルスからの発根が認められた。このように, 培地組成及び植物ホルモンの種類と濃度を変えることにより, クワの未熟葉から不定芽, カルス及び根を誘導できることが明らかとなった。
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