組込みシステムに代表される情報機器において,エネルギー制約を超えずに全体の性能を最大化することは大きな課題であり,消費電力削減のための効率的な方法として動的電圧周波数調整(Dynamic Voltage and Frequency Scaling; DVFS)が広く提唱されている.本稿では,時間と消費電力制約の下でm個のコンポーネントで構成されるシステムの信頼度を最大化するようなDVFSによる周波数割り当て問題について考える.具体的には,コンポーネントシステム上でタスクが処理される時間的挙動を離散時間マルコフ連鎖(DTMC)でモデル化し,周波数割り当て問題を制約付き非線形計画問題として定式化する.また,信頼度関数の近似表現を与えることで,DVFSによる最適周波数割り当て問題を効率的に解く方法についてもふれる.
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