中学生女子初心者を対象に,バレーボールの学習指導において,「課題ゲーム」を中核に守備と攻撃を中心にした学習過程を編成し,21時間の授業を行い,個人技能,ゲーム様相,特性認知調査,ならびに態度測定等で評価した学習成果を比較・検討した。パス技能,ゲーム様相等の向上傾向には両過程間に差はみられたが,最終的な成果には相違は認められなかった。しかし,守備中心の学習過程の方が,チームがまとまりやすく,人間関係を向上させ,バレーボールを好きにさせるとともに,授業に対する愛好的態度を高め得ることが認められた。すなわち,女子初心者では,「守備」を中心に学習過程を編成する方が適していると考えられた。なお,これには,学習過程編成の観点の相違に加え,女子の「課題志向性」よりも「人間志向性」に価値があるとする性格特性の影響が推察された。
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