抄録
ガスリッチ隕石として知られているカポエタ隕石(ホワルダイト)について酸による段階的溶出実験を行い,得られたフラクションのSr, Ba, Ce, Sm同位体測定を行った結果,最初の溶出フラクションから一連のp-過程核種84Sr, 130Ba, 132Ba, 136Ce, 138Ce, 144Smにおいて顕著な同位体過剰が検出された。このフラクションはカポエタ隕石中に含まれるレゴリス粒子の宇宙風化を受けた部分が溶出されていると考えられることから,本研究における一連の同位体測定の結果は、初期太陽の激しい活動がもたらした宇宙風化の検証につながると考えられる。