先に報告した修正Halpin-Tsai式を用いて, 希望する曲げ弾性率の得られる加工条件を予測できる方法を検討した。すなわちこの修正式と, 混練速度
vや混練時間
tねどの加工上の因子間の一つの関係式を導いた. まず, ガラス繊維/ポリカルボナート系材料で, 平均アスべクト比
xと,
vまたは
tとの関係を調べ, 他の文献値とともに考察した。その結果,
tが一定 (
t1) の場合,
vが20rpmから100rpmの範囲内で,
xの対数値と
vの対数値の関係は直線となり, 更に
t1の近傍で, この直線の傾きはほとんど変わらなかった. また,
vが一定 (
vk) の場合,
tが1分から3分の範囲内で
xの対数値と
tの対数値の関係も直線となり, 更に
vkの近傍で, この直線の傾きはほとんど変わらなかった. この結果を用いて,
tと
vを含む一つの近似式
x (
t,
v) を導いた. この近似式
v (
t,
v) と修正Halpin-Tsai式に含まれる
xとを比較することにより, 希望する曲げ弾性率が得られる成形条件 (
t,
v) を, 多くの射出成形実験を繰り返すことなしに, 予測できる見通しを得た.
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