私の臨床・研究生活40年間を振り返って, ここでは以下の5点について述べ, 特に若い医学道を進む者への研究意欲を喚起したい. (1) 研究の再現性 (2) 米国留学3年間 (3) 教室の改革 (4) 新規食欲調節因子の発見 (5) 今ある所でベストを尽くす.
大学卒業後の私の40年間の特に研究生活と大学生活を振り返ってみると, 自分の意志や興味とはあまり関係のない分野の研究を行って来た時間が多かったことに気がつく. しかし, 私はその時々で自分のベストを尽くして臨床と研究を行い教育にも情熱を入れてきた. 最近の若者は, 目先のことだけにこだわり, 自分の仕事に満足せずに不平を直ぐに言う傾向がある. しかし, 不平や不満を言う前に, 自分がその場でいかにしてベストを尽くしているのか, 自分に問うてみることも必要である.
人生において一時たりとも無駄な経験や時間はなく, 現在の経験が将来役に立つことも多いのだから.
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