抄録
ブタにおいて選抜候補の血縁個体の情報量と選抜の正確度との関係を明らかにするため,1形質の家系選抜指数を用いて検討した.選抜候補およびその血縁個体はすべて単一記録を持ち,またそれらの近交係数はすべて0とした.選抜形質の遺伝率(hz)は0.1~0.6とした.選抜候補の血縁個体の情報量として,選抜候補の世代を0としてそこから遡る世代数(0~5),雄あたりの雌の交配頭数(1~5)および一腹あたりの選抜候補頭数(1~8)を変えたときの選抜の正確度を算出した.その結果,h2が高い場合(0.3≦h2)は3世代,h2が低い場合(hz<0.3)でも4世代分の血縁記録を用いれば,精度の高い育種価を推定できることが明らかとなった.