臨床神経学
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総説
傍腫瘍性神経症候群と抗神経抗体
田中 惠子
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2010 年 50 巻 6 号 p. 371-378

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抄録

悪性腫瘍患者には様々な神経障害が合併するが,自己免疫学的機序により生じると考えられる一群が傍腫瘍性神経症候群であり,多くは腫瘍の発見に先んじて発症する.神経症状発症早期から,病型と関連して血清および髄液に特徴的な自己抗体が検出され,本症の診断・悪性腫瘍の早期発見マーカーとして有用と考えられる.現在も様々な手法により,新たな診断のマーカーとなる抗体の検索が進められており,最近,NMDA受容体抗体,電位依存系カリウムチャネル抗体をともなう病型などが明らかになった.また,抗原の局在と治療反応性,予後との関連にも一定の特徴がみられることが明らかになってきている.

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© 2010 日本神経学会
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