日本薬理学雑誌
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特集:血管病の分子機構と新たな治療戦略
ステント内再狭窄の分子機構と生体吸収性ナノ粒子電着による遺伝子溶出ステントがもたらす新たな治療戦略
船越 公太江頭 健輔
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2007 年 129 巻 3 号 p. 171-176

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抄録
我々はステント内再狭窄に炎症が重要な役割を果たしていることに注目し,単球走化因子(MCP-1)のステント内再狭窄での関わりを明らかにした.そして変異型MCP-1タンパク(7NDタンパク)の遺伝子導入はステント内新生内膜形成を有意に抑制した.我々は電着塗装の応用でポリ乳酸グリコール酸共重合体(PLGA)ナノ粒子をステントにコーティングする技術を開発した.緑色蛍光タンパク(GFP)遺伝子プラスミドを封入したナノ粒子をコーティングしたステントをブタ冠動脈に留置したところ,28日後にも発現が確認された.我々は単球走化因子(MCP-1)のステント内再狭窄での関わりを明らかにし,変異型MCP-1タンパク(7NDタンパク)の遺伝子導入はステント内新生内膜形成を有意に抑制することを明らかにしてきた.次には7ND遺伝子プラスミドを封入したナノ粒子を用いた遺伝子プラスミド溶出ステントを作製し,有効性を評価する予定である.
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© 2007 公益社団法人 日本薬理学会
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