日本消化器内視鏡学会雑誌
Online ISSN : 1884-5738
Print ISSN : 0387-1207
ISSN-L : 0387-1207
早期胃癌に対する内視鏡的粘膜切除法における癌断端判定基準に関する検討
宮崎 有広平尾 雅紀栗林 秀樹腰山 達美芝田 行徳内沢 政英今津 純夫三上 肇浅沼 建樹升田 和比古松浦 侯夫山口 修史仲 紘嗣佐々木 豊
著者情報
ジャーナル フリー

1993 年 35 巻 4 号 p. 687-692

詳細
抄録

内視鏡的切除法で切除された早期胃癌の粘膜内進展について,その断端判定基準を作成するため,外科的に切除された長径2cm以下で,病巣に潰瘍のない分化型粘膜内癌55例の輪郭をトレースし検討した.切除材料を幅2mmの階段状切片として吟味する場合,病変が切除材料にすべて含まれるためには,第1に両端の切片の切り出し面に癌が認められないこと,第2に任意の切片は,隣接する切片の癌の幅がその切片の癌の幅より長い場合は,隣接する切片の癌の幅以上の長さを必要とすること,第3にそれぞれの切片はさらに両端に「はみだし幅」と定義した長さの非腫瘍粘膜を,高分化管状腺癌では1.4mm,中分化管状腺癌で2mm必要であった.内視鏡治療で切除された病変の粘膜内進展についての断端判定には,以上の3条件が必要である.

著者関連情報
© 社団法人日本消化器内視鏡学会
次の記事
feedback
Top