抄録
内視鏡鉗子チャンネルに挿通する小型の超音波プローブを用いるEUSシステム,Fujinon Sonoprobe System SP 101(周波数20MHz)による胃癌の壁深達度診断につき検討した. 胃癌38症例に本法を試みたが,描出不良例が8例(21%)に達し,その半数は胃角小彎であった.すなわち,本装置の胃への応用に際してはmanual linear走査のみでは不十分と考えられた.また,早期癌症例でmmを明瞭な層構造として描出しえたのは4例(19%)にすぎなかった. 描出良好例30例の検討では,早期癌は76%に壁深達度を正診し得た.一方,進行癌では壁深達度はpmないしはそれ以上,すなわち進行癌との判断にとどまり,詳細な壁深達度診断は困難であった. 走査方法の改良や周波数の異なる振動子の併用などが可能となれば,胃癌の壁深達度診断の成績はさらに向上すると思われ,今後の発展がおおいに期待される.