内視鏡的胆道ドレナージのみで経過観察した症例の胆管像の経時的変化から腫瘍の発育速度,浸潤様式,肝門部進展の有無および予後を比較検討した.対象は発症時肝門部浸潤を認めず,十分読影可能な経時的胆管像が得られた30例である.胆管像からみた腫瘍の肉眼形態は乳頭型7例・結節型13例・結節浸潤型8例・浸潤型2例,腫瘍の占拠部位は下部胆管7例・中部胆管14例・上部胆管2例・その他7例,観察期間は1~90カ月(平均10.2カ月)であった.発症時の胆道造影で乳頭型および結節型を示す症例では,経過中腫瘍径の増大を認めない症例も多く,浸潤傾向・肝門部進展を認めた症例は20%前後であった.一方発症時に結節浸潤型および浸潤型を示す症例や,経過中浸潤傾向が出現した症例のほとんどは肝門部進展を認めた.肝門部進展は胆道ドレナージを継続する上で重要な問題であるが,発症時の胆道造影所見が肝門部進展を予測する上で参考になると考えられた.