日本消化器内視鏡学会雑誌
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内視鏡的に摘出し得た回腸アニサキス症の1例
鎗水 隆平野 雅弘中野 文香友成 健一朗伊井 和成常富 亘人日野 成子安部 康二津田 富康
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1998 年 40 巻 5 号 p. 818-823

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抄録

症例は34歳男性.しめ鯖を摂食後3日目に右下腹部痛,下痢が始まり,4日間症状が持続するため来院.5日目上下部消化管内視鏡検査を施行.下部検査でバウヒン弁に浮腫状変化,その口側約10cmの回腸粘膜に発赤,びらん,粘膜に刺入したアニサキス虫体を認め,鉗子にて虫体を除去.その後症状は速やかに消失した.回腸アニサキス症は診断が困難で内視鏡的に摘出された症例は現在までに報告はなく貴重な経験と考えられた.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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