日本消化器内視鏡学会雑誌
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経皮内視鏡的盲腸瘻造設術が有効であった巨大結腸症の1例
宇野 良治
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2003 年 45 巻 3 号 p. 280-285

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抄録

症例は83歳,男性.多発性脳梗塞後に著しい便秘となり,腹部単純X線写真で全大腸に及ぶ著明な腸管拡張を認めた.薬物療法,イレウスチューブによる減圧にも抵抗性であったため,経皮内視鏡的胃瘻造設用のキットを用いて経皮内視鏡的盲腸瘻造設術(PEC)を施行し,持続的減圧を図った.これにより腸管ガスの減少,腹部膨満の軽減を認めた.さらに,盲腸瘻からポリエチレングリコール製剤を投与することにより便秘の改善が得られた.PEC施行後,130日以上.経過した現在も症状の再発は認めておらず,ADLの改善を認めた本月1最初の症例報告である.

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© 社団法人日本消化器内視鏡学会
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