2004 年 46 巻 5 号 p. 1077-1081
症例は36歳男性.平成10年より急性膵炎を反復.平成14年5月膵炎が再燃し当院に転院.CTで内部に高吸収域を伴う50mm大の嚢胞を膵尾部に認め,出血を伴う膵仮性嚢胞と診断した.膵管ステント(PS)を留置したが嚢胞の縮小を認めず7月11日に内視鏡的経鼻膵管ドレナージ(ENPD)に変更後,嚢胞はやや縮小し24日に抜去した.2日後に嚢胞内再出血を認めたが出血部位は不明であった.再びENPDを施行し嚢胞は縮小傾向となり,PS変更,その後再増大なく,11月21日にPSを抜去した.以後,膵炎の再燃は認めていない.