2006 年 5 巻 2 号 p. 153-156
ブルーベリー果粒の成熟機構を明らかにするため,‘バークレー’および‘ディクシー’を供試して自家受粉,他家受粉および放任受粉を行い,果粒の含有種子数と成熟日数の関係について検討した.1果当たりの含有種子数は他家受粉区で多く,且つ未熟な白色種子に比べて充実した褐色種子数が多くなった.成熟日数を従属変数,褐色種子および白色種子数を独立変数とした重回帰分析の結果,供試した2品種のすべての処理区において有意な重回帰係数が得られた.また,‘ディクシー’の自家受粉区を除くすべての処理区で褐色種子の標準偏回帰係数の絶対値は白色種子に比べて大きな値を示した.さらに,褐色種子の発芽率は他家受粉区で高く,標準偏回帰係数との間に極めて高い相関が見られた.従ってブルーベリー果粒の成熟は含有する発芽力のある褐色種子数の多少によって影響を受けるものと考えられた.