日本耳鼻咽喉科学会会報
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歪成分耳音響放射と聴力との比較検討
千田 英二佐藤 信清川浪 貢柏村 正明坂本 徹福田 諭犬山 征夫
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1997 年 100 巻 4 号 p. 436-443

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抄録

歪成分耳音響放射 (DPOAE) による正常聴力耳と難聴耳との鑑別診断基準の確立のために, 耳音響放射専用測定器ILO92を使用しヒト616耳において検討を行った. DPOAEの個体差が大きく明確に正常耳と難聴耳を鑑別することは困難であった. そのため, 感度 (正常耳を正常と正しく判定できる割合) と特異度 (難聴耳を難聴と正しく判定できる割合) の累積度数を求め, 正常耳と難聴耳を区別するカットオフ値の検討を行った. DPOAEの特性を考慮した結果, 偽陽性率 (難聴耳を誤って正常耳と判定してしまう割合) が5%に一致する値がDPOAEの臨床評価に用いることができると考えられた.

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