超音波医学
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原著
心房細動例における左室拡張能評価 ‐Color Kinesis法による検討‐
原田 昌彦煙草 敏林 京子寳田 雄一藤井 悠一郎原 文彦山崎 純一
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2012 年 39 巻 1 号 p. 9-16

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抄録
目的:Color kinesis(CK)法で心房細動(Af)患者の拡張能評価が可能か脳性ナトリウム利尿ペプチド(BNP)値との関連より検討すること.対象と方法:心エコー検査同日に血中BNP測定が行えたAf46例(男性22例,平均64±12歳),使用装置はPhilips社製 Sonos7500,左室短軸像乳頭筋レベルで拡張期CK画像を記録し,解析はYD社製ICKソフトを用いた.左室局所において拡張早期30%時間の面積比率を%表示,これをCK-diastolic index(CK-DI)とし,左室6分割の平均をmean CK-DIとした.ドプラ法で左室急速流入波(E)とその減衰時間(DT),拡張早期僧帽弁輪速度(e´)を計測した.実測値BNP値は自然対数変換(log BNP)し,各指標との関連を検討した.結果と考察:6例はCK画像描出不良のため解析が困難であった.残り40例の検討で,log BNPとの相関は,mean CK-DI(r=-0.55,p<0.001)),e´(r=-0.46,p<0.01),E/e´(r=0.44,p<0.01),DT(r=-0.15)と,最も良好な相関を示したのはmean CK-DIであった.解析に用いた心拍のRR間隔は平均889±162 ms,先々行と先行RR間隔との比は平均1.0±0.2であった.結論:CK法は,Af患者の拡張能評価に応用出来る可能性がある.
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© 2012 一般社団法人 日本超音波医学会
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