日本植物病理学会報
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Dot Immuno-Binding AssayおよびTissue Printing Immunoassayによるスイカ果実汚斑細菌病の血清学的診断法
小宮 友紀子白川 隆我孫子 和雄
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2002 年 68 巻 3 号 p. 291-296

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抄録
スイカ果実汚斑細菌病を迅速に診断するためにDIBA法,TPI法によるAcidovorax avenae subsp. citrulliの病斑からの検出を検討した.スイカ果実汚斑細菌病菌に特異的なIgGにアルカリフォスファターゼを結合させたコンジュゲートと反応させ,AS phoshate溶液で発色させたときにDIBA法での本菌純粋培養液の検出限界は約106cfu/mlであった.108cfu/mlに調整した各種植物病原細菌をDIBA法で検定した場合,A. avenae subsp. citrulliのみが強い反応を示し,そのほか細菌は反応しないか,弱い反応を示した.DIBA法及びTPI法によって人工汚染種子由来の罹病苗を診断し,選択培地・AacSMを用いた分離結果と比較すると,AacSMで菌が検出された病斑はDIBA, TPIで全て陽性を示した.さらに選択培地でA. avenae subsp. citrulliが分離されなかった古い病斑からもDIBA法,TPI法で本菌の検出が可能であった.したがって,DIBA法,TPI法は,スイカ果実汚斑細菌病の迅速で簡易な診断技術として利用可能であることが示唆された.
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