日本植物病理学会報
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68 巻 , 3 号
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  • 田中 孝, 加藤 智弘, 佐藤 智浩
    2002 年 68 巻 3 号 p. 283-290
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    イネ苗立枯細菌病の野外での伝染環を解明するために本病罹病苗を作成して本田に移植栽培し,水田における罹病苗から種子への伝染を検討した.罹病苗由来株から収穫した種子からは本病原細菌は検出されなかったが,罹病苗を植えた区域の周辺の株からは検出された.また,罹病苗由来株の刈り株からは,翌年病原細菌を再分離することができなかった.さらに,前年に罹病苗を移植した同一水田からはもちろん,同一区域から収穫した種子にも汚染種子は認められなかった.以上の結果から,罹病苗からそれ自身の種子への伝染は明らかにできなかったが,少なくとも罹病苗の周辺の株の種子を汚染することは明らかであった.また,寒冷積雪地における本病原細菌の刈り株などの残渣での越冬の可能性は低いものと思われた.一方,病原細菌保菌コウヤワラビからのイネ種子へは,風媒伝染と雨水による水媒伝染が起こることが示されたが,イネ苗立枯細菌病の発生程度は年次によって大きく異なった.これは,気象条件の差によるものと考えられた.また,リファンピシン耐性菌株を用いた実験結果からコウヤワラビに生息する病原細菌は降雨とともに葉面から雨水中に移動し,さらに灌漑水に流入して,イネの生育に伴って下位葉鞘から上位葉鞘を経て穂部まで感染部位を広げて,伝染することが示唆された.以上のことから,保菌コウヤワラビは,本病の伝染源として基本的に重要であるが,伝染程度は気象などの外的な条件に大きく影響されることが示唆された.
  • 小宮 友紀子, 白川 隆, 我孫子 和雄
    2002 年 68 巻 3 号 p. 291-296
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    スイカ果実汚斑細菌病を迅速に診断するためにDIBA法,TPI法によるAcidovorax avenae subsp. citrulliの病斑からの検出を検討した.スイカ果実汚斑細菌病菌に特異的なIgGにアルカリフォスファターゼを結合させたコンジュゲートと反応させ,AS phoshate溶液で発色させたときにDIBA法での本菌純粋培養液の検出限界は約106cfu/mlであった.108cfu/mlに調整した各種植物病原細菌をDIBA法で検定した場合,A. avenae subsp. citrulliのみが強い反応を示し,そのほか細菌は反応しないか,弱い反応を示した.DIBA法及びTPI法によって人工汚染種子由来の罹病苗を診断し,選択培地・AacSMを用いた分離結果と比較すると,AacSMで菌が検出された病斑はDIBA, TPIで全て陽性を示した.さらに選択培地でA. avenae subsp. citrulliが分離されなかった古い病斑からもDIBA法,TPI法で本菌の検出が可能であった.したがって,DIBA法,TPI法は,スイカ果実汚斑細菌病の迅速で簡易な診断技術として利用可能であることが示唆された.
  • 早坂 剛, 松浦 孝幸, 生井 恒雄
    2002 年 68 巻 3 号 p. 297-304
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    いもち病菌の種子感染から育苗中における発病までの動態と種子内部に寄生するいもち病菌の役割について検討した.保菌種子の2割が種子玄米部に感染しており,感染玄米では登熟後期まで枝梗から小穂軸を通過して本菌が侵入してくると推定された.登熟後期に感染した種子は,塩水選,種子消毒,その他種子予措中によって完全に感染種子の除去は困難であった.種子玄米に寄生するいもち病菌に対する種子消毒剤の殺菌効果は低く,特にステロール脱メチル化阻害剤(DMI)でその効果が劣った.種子消毒を行い籾表面に胞子形成が認められなくとも,玄米にいもち病菌が寄生している種子を播種すると,苗の立枯が生じ,立枯れ苗の葉鞘基部では分生胞子形成が多量認められた.このことは,種子消毒を行っても玄米に寄生するいもち病菌の残存により,苗いもちの重要な発生源となることを示している.これら種子玄米に侵入しているいもち病菌に対しては,真空浸漬法による種子消毒と温湯種子消毒が有効であった.
  • 芦澤 武人, 善林 薫, 小泉 信三
    2002 年 68 巻 3 号 p. 305-308
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    To evaluate the efficacy of multilines in rice blast control, panicle blast severity was evaluated for Sasanishiki near-isogenic lines after inoculation with a virulent isolate with or without pre-inoculation with an avirulent blast isolate. Disease severity generally differed among lines, high for Sasanishiki BL No.6, moderate for No.3 and low for No.4. The disease on Sasanishiki BL No.4 was suppressed when panicles were pre-inoculated with a high concentration of an avirulent spore suspension (2.5×106spores/ml). However, this suppression was not observed on Sasanishiki BL No.3 or No.6.
  • 夏秋 啓子, 守川 俊幸, 夏秋 知英, 奥田 誠一
    2002 年 68 巻 3 号 p. 309-312
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    From lettuce (Lactuca sativa L.) with big vein symptoms, two bands were detected by Western blot analysis using antisera to Tobacco stunt virus and Tulip mild mottle mosaic virus (As-TMMMV), respectively. One band reacted to antiserum to Mirafiori lettuce virus (MiLV) stronger than As-TMMMV. Unstable filamentous Ophiovirus-like particles (LBV-O) decorated with As-TMMMV in immunogold labeling were observed along with Lettuce big-vein virus-like rod-shaped particles in diseased plants. Manual inoculation with lettuce sap caused chlorotic local lesions in Chenopodium quinoa and systemic infection in lettuce. Along with LBVV, LBV-O was transmitted by Olpidium brassicae. LBV-O was identified as MiLV for the first time in Japan.
  • 瓦谷 光男, 岡田 清嗣, 中曽 根渡, 草刈 眞一, 西田 真子
    2002 年 68 巻 3 号 p. 313-317
    発行日: 2002/12/25
    公開日: 2009/02/19
    ジャーナル フリー
    Seedlings of garland chrysanthemum, Chrysanthemum coronarium L. var. spatiosum L.H. Bailey, developed damping off in hydroponics in the summer. The causal agent was identified as Pythium ‘group F’ and P. myriotylum, and the disease named damping off or tachigare-byo.
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