1995 年 32 巻 2 号 p. 113-122
脳卒中片麻痺の機能評価セットStroke Impairment Assessment Set (SIAS)の麻痺側運動機能,筋緊張,腱反射および健側機能各項目の信頼性と妥当性を検討した.
検者間信頼性の指標であるweighted κは,麻痺側運動機能で0.854以上,その他の項目で0.500以上(N=20)であった.対応する他の評価法との比較における順位相関係数は,麻痺側運動機能で0.710以上(N=77),筋緊張で0.948以上,腱反射で0.851以上であつた(N=20).
ステップワイズ重回帰分析の結果,歩行速度はこれらのSIAS項目により寄与率56.3%,また移乗・移動ADLは寄与率62.4%,となった.
以上から,検討したSIAS各項目は信頼性が高く,妥当性を有すると考えられた.