日本臨床外科学会雑誌
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症例
MDCTで術前診断し,腹腔鏡下虫垂切除術を施行した虫垂憩室炎の1例
武田 雄一郎杉村 好彦小川 雅彰馬場 祐康畠山 元若林 剛
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2009 年 70 巻 10 号 p. 3041-3045

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抄録

症例は58歳,男性.右下腹部痛を主訴に当院受診.腹部multidetector-row computed tomography(MDCT)検査で,虫垂に多発する憩室を認め,虫垂末端部は腫大し,周囲の脂肪濃度の上昇を認めた.虫垂末端の憩室周囲の腫大および濃度上昇を認めることから虫垂憩室炎と診断した.腹腔鏡下虫垂切除術を施行.病理組織学的にも虫垂憩室炎が確認された.虫垂憩室炎は,高い穿孔率が報告されているが,術前に診断するのは極めて困難である.今回われわれはMDCT検査で術前に診断し,腹腔鏡下に手術することができた虫垂憩室炎の1例を経験したので,文献的考察を加えて報告する.

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© 2009 日本臨床外科学会
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