日本臨床麻酔学会誌
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帝王切開麻酔中にプロスタグランジンFによると思われる血圧上昇,不整脈をきたした2症例
小野 健二中山 啓子工藤 一大奥津 芳人
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1990 年 10 巻 1 号 p. 95-98

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抄録

帝王切開時にプロスタグランジンF (PGF2a)によると思われる血圧上昇と不整脈をきたした2症例を報告する.症例1胎児仮死のため緊急帝王切開となった.児娩出後子宮収縮の目的でPGFを子宮筋内へ投与した.直後より患者は頭痛を訴え,血圧は上昇し,多源性の心室性期外収縮が多発した.約10分後に期外収縮は消失した.症例2骨盤位のために帝王切開が行われた.児娩出後PGFを子宮筋内に投与した.直後より血圧が上昇し,上室性期外収縮が多発し約5分間続いた.PGFを子宮収縮薬として子宮筋内へ投与する場合は全身的影響が現れる可能性があり,その適応も慎重であるべきである.

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