園芸学会雑誌
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カキ'西条'および'前川次郎'の開花ならびに果実品質に及ぼす側枝結縛の影響
長谷川 耕二郎中島 芳和
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1991 年 60 巻 2 号 p. 291-299

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抄録

着花の少ない'西条'と'前川次郎'の7年生樹を供試し, 側枝を針金の被覆線で結縛処理を行い, 結実や果実品質ならびに翌春の着花促進に及ぼす影響について調査した. なお, 合成サイトカイニンであるKT-30 {N(2一クロルー4ピリジル) -N-フェニルウレア} を夏季に芽に塗布し, 翌春の着花に及ぼす影響についても併せて調査した.
1.6月10日の側枝結縛処理により, 当年の'西条'および'前川次郎'の結実は顕著に増加した. 6月10日および7月1日の処理により, '西条'では果実が大きくなり着色が増進した. また'前川次郎'では果実の着色が増進するとともに糖度が高くなった.
2.6月10日の側枝結縛処理により, 翌春の着花数が'西条'では約3倍, '前川次郎'では約10倍となった.7月1日の処理区でも着花が増加したが6月10日処理区に比べると少なかった. 6月10日結縛処理により当年の'西条'の夏枝の発生が抑制され, また6月10日および7月1日の結縛処理により'西条'および'前川次郎'の翌春の新しょう生長が抑制された.
3.結縛処理により, '西条'および'前川次郎'の当年ならびに翌年の収量が増加した, 特に着果数の多かった6月10日結縛区の増収効果がいちじるしかった.
4.KT-30の芽への塗布処理では, 翌春における着花数が増加することはなく, 対照区と同程度であった.

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