日本血栓止血学会誌
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特集:「血栓止血の臨床─研修医のためにIII」
2.経口抗凝固薬の適正使用
笠井 宏樹池田 宇一
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2008 年 19 巻 2 号 p. 183-186

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抄録
Point
(1)warfarinの経口投与後の抗凝血効果は通常12~24時間目に発現し,十分な効果は36~48時間後に得られる.その作用は48~72時間持続する.
(2)抗凝固効果のモニターにINR(プロトロンビン時間)測定が推奨されている.本邦では従来トロンボテスト(TT)にて抗凝固効果をモニターしてきた.TTからINRを推定する限り,欧米でのガイドラインに比べ低めのINRで,良好な血栓症予防効果と少ない出血性合併症の成績を得ているようである.INRを用いた抗凝固・抗血小板療法については本邦独自のエビデンスが未だ不十分であり,エビデンスの構築が必要である.
(3)warfarinの休薬については,休薬に伴う血栓塞栓症のリスクと手術による出血リスクの両面を十分に吟味する必要がある.
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© 2008 日本血栓止血学会
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