日本下肢救済・足病学会誌
Online ISSN : 2187-1957
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調査報告
下肢慢性創傷の診療にかかわる理学療法士の実態調査
林 久恵河辺 信秀河野 健一平木 幸治松本 大輔森 耕平井垣 誠野村 卓生
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2018 年 10 巻 3 号 p. 179-185

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抄録
日本糖尿病理学療法学会会員4,680名(2016年12月末日の時点)を対象にWebアンケートにて下肢慢性創傷(糖尿病足病変含む)の診療へのかかわりについて調査を行った.有効回答1,363件の内,下肢慢性創傷に対する理学療法実施率は498件(36.5%)であり,実施率が50%を上回っていた診療科は血管外科・心臓血管外科・形成外科・腎臓内科であった.理学療法内容は,糖尿病足病変のリスク評価や介入の実施率が高く,足底圧や下肢虚血等足部創傷の管理に必要な項目は実施率が低かった.理学療法士が診療にかかわっていない理由は「医師の処方がない」,「医師,看護師に任せている」,「足病変の病態を理解していない」の順で多かった.下肢切断リスクの高い患者が集まる診療科では理学療法実施率が相対的に高いことが確認できた.今後は実施率の向上に向け,下肢慢性創傷の診療に参画するための連携体制の構築や理学療法士の知識・技術の向上が必要であると考える.
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© 2018 日本下肢救済・足病学会
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