日本ロボット学会誌
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移動ロボットの自律誘導の一方法
小森谷 清舘 〓谷江 和雄
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1984 年 2 巻 3 号 p. 222-231

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抄録
本論文では移動ロボットの自律移動を実現するひとつの誘導方式を提案し, その際の問題を試作ハードウエアを用いて実験的に検証する.
この方式は, 環境に存在する柱や壁面の平面部など, 簡単な形状をもつ対象物をランドマークとして選択し, これらランドマーク, 及びその位置関係を示すマップを利用する誘導方式である.ロボットは与えられた地点から他の地点へ内界センサを利用し, 設定された経路に沿って移動する.各地点においてはランドマークとして選択された対象物の位置を測定することによって経路からの誤差を知り, それを修正する.
この方式を実現するための基礎的問題として, 2地点間を結ぶ経路設計とそれに沿うロボットの移動制御, 及び超音波式センサによる対象物の検出と目標経路からの誤差修正法について述べた.
移動ロボットの目的地までの誘導には, 目標経路に正確に沿う軌道制御が基礎となるが, 基準となる固定点をもたない移動ロボットでは, 環境から正確な位置情報を得る必要がある.ここで提案した方式は, 環境に存在するものをこの目的に使用するもので, 基準位置を示す目印を環境に敷設するための投資をなくせること, 対象物の情報をあらかじめ与えておくことで, 対象物の検出問題を簡単化できるなどの点に特徴がある.
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