日本透析医学会雑誌
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原著
血液透析患者を対象とした持続型ESA製剤とrHuEPO製剤のhemoglobin variabilityに与える影響の違いの検討
岩崎 学秋澤 忠男
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2011 年 44 巻 2 号 p. 137-144

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抄録

近年,hemoglobin variability(Hb-var)が死亡や入院など血液透析患者の予後に悪影響を与えるとの報告があり注目されている.Hb-var発現の原因は判明していないが,ダルベポエチンアルファ(DA)のような持続型ESA製剤は同じESA製剤であるrHuEPO製剤よりもHb-varの発現に影響を与えている可能性を示唆する報告もあるが,結論はまだ得られていない.今回,持続型ESA製剤とrHuEPO製剤のHb-varに与える影響の違いを検討するため,血液透析患者を対象としたエポエチンアルファ(EPO)とDAの無作為化二重盲検比較試験のデータを用いて解析を実施した.Hb-varの明確な定義がないため,過去に提案されている六つの評価方法をHb-varの指標として用いた.その結果,EPO群とDA群でHb-varに違いは認められず,Hb-varに与える影響はESA製剤の種類によって違いはない可能性が示唆された.

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© 2011 一般社団法人 日本透析医学会
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