農作業研究
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原著論文
かん水同時施肥栽培におけるキュウリ半促成作型での増加葉数による窒素吸収量の推定
佐藤 達雄松浦 京子成松 次郎米山 裕
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2007 年 42 巻 2 号 p. 69-74

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抄録

キュウリ半促成栽培の適量施肥方法を確立するために,施肥窒素の総量を一定にした3種の施肥方法を設定し,それらのキュウリ生育・収量・土壌中硝酸体窒素・窒素吸収量を調査して2週間毎の窒素吸収量を推定するパラメータを検討した.施肥総量を同量とするが,2週間ごとの窒素施肥量を増減させた3区を設けてキュウリを栽培した.その結果,収量や生育には大きな差が見られず,窒素施肥量の一時的な変動に対して土壌は緩衝的に働いた.作物体窒素吸収量と増加葉数には高い正の相関が認められ,窒素吸収量(g/m2/14日)=葉の増加数(/m2/日)×0.0441+2.189(R=0.666,1%水準で有意)の単回帰式が得られた.以上のことから,14日に一度,増加葉数を調べて前記式から吸収された窒素量を推定し,次の14日間の施肥量に反映することにより,施肥効率上昇による窒素施肥量の削減が実現できる可能性が示唆された.

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© 2007 日本農作業学会
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