水田の長辺長と取水流量の関係

抄録

代かき期の潅漑の面から水田の長辺長を検討した. この時期の水田の潅漑は, 畑地潅漑方式の一つであるボーダー潅漑と同じものである。ボーダー潅漑で用いられている水収支式に, 2種類の浸入式を組入れて水足の前進式を求めた. そして, 水足の前進距離の測定結果から, 組入れた浸入式の定数を決める方法を確立した. 耕うん・砕土が行われた水田で, 水足の前進距離を測定した. その測定結果から, 浸入式の定数を決定した. その値を水足の前進式に代入し, 経過時間ごとの水足の前進距離を計算した. 計算結果は測定結果と良好な一致を示した. つぎに, 取水流量を種々変えて水足の前進距離を計算し, 長辺長と取水流量および代かき用水量の関係を検討した。