2019 年 50 巻 2 号 p. 85-88
ロボット支援腎部分切除術(RAPN)はT1の腎癌に対して適応とされ、2016年に保険収載されてから急速に普及するとともにhigh volume centerにおいては難易度の高い腫瘍にも対象が拡大されている。
我々の施設では、腫瘍の位置によって経腹膜アプローチと後腹膜アプローチの2つの方法を使い分けており、いずれのアプローチにおいてもロボットアームは4本全て使用している。阻血は原則として腎動脈のみのクランプとし、3-5mmのマージンをつけて鋭的切開と鈍的剥離を併用した腫瘍の切除を行っている。切除面の止血縫合を行った後、early unclampingにより動脈性出血の確実な止血を図っている。腎実質縫合を行い、ドレーンは留置していない。
RAPNは腹腔鏡下腎部分切除術と比較して様々な点で優れた術式であると考えられるが、鏡視下での腎門部の操作について十分に理解・習熟している必要があることは同様である。