2006 年 95 巻 4 号 p. 650-656
褐色細胞腫は比較的稀な腫瘍であるが, 治療により治癒可能である一方, 放置すると種々の合併症を引き起こす, 内分泌性高血圧の中で悪性の頻度が最も高いなどの点から, 適切な診断, 治療が重要である. 内分泌学的検査と画像検査の組み合わせで診断する. 転移の存在を除き悪性であることを確実に診断する方法はなく, 種々の組織, 分子マーカーを複合して評価する. 治療は腫瘍摘出が第一であるが, 悪性例では手術, 化学療法, 放射線療法などを組み合わせた多角的治療を行う.