理学療法科学
Online ISSN : 2434-2807
Print ISSN : 1341-1667
研究論文
最適歩行と最速歩行の相違
─GAITRiteによる解析─
村田 伸忽那 龍雄北山 智香子
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キーワード: 最適歩行, 最速歩行, 信頼性
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2004 年 19 巻 3 号 p. 217-222

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抄録

本研究は,歩行分析装置GAITRiteを用いて,最速歩行と最適歩行を分析し,測定方法の違いによる測定値の信頼性や,性差および利き足と非利き足の特徴について検討した。被験者42名(男性18名,女性24名,平均年齢22.1歳)の歩行分析の結果,最速歩行と最適歩行のいずれの歩行分析でも,歩幅,ステップ時間,歩行速度,歩行率においては,ICC=0.9以上の高い再現性が得られた。また,性差は,最適歩行では認められなかったが,最速歩行ではステップ時間と歩行率以外の全ての指標に有意差が認められた。利き足と非利き足については,歩行中の全ての測定値に有意差は認められなかった。これらのことから,臨床現場での歩行分析は,最速歩行と最適歩行のどちらであっても,再現性の高い測定値が得られることが示唆された。しかし,その人の持つ歩行能力をパフォーマンスとしてより的確に引き出すためには,最適歩行よりも最速歩行の方が,優れていることが示唆された。

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© 2004 by the Society of Physical Therapy Science
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