日本臨床外科学会雑誌
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腹腔鏡下胃固定術を行った胃軸捻転症の1例
小林 成行木下 茂喜
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2005 年 66 巻 4 号 p. 827-831

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抄録

胃軸捻転症は比較的稀な良性疾患であるが,症例によっては手術療法が必要となる.今回われわれは,胃軸捻転症に対して腹腔鏡下胃固定術を行い良好な結果を得たので,文献的考察を加えて報告する.症例は86歳,女性. 5年前に肺癌にて左上葉切除の既往があった.他病にて当院整形外科に入院中,嘔吐,上腹部不快感が認められた.腹部単純X線写真で左横隔膜の挙上と二重胃泡が認められ,胃管留置にて症状は消失した.腹部CT, 上部消化管造影にて間膜軸性胃軸捻転症と診断された.内視鏡的に整復するもその後再発をきたしたため,腹腔鏡下胃固定術を施行.捻転の先進部と考えられた胃体部前壁と腹壁を2-0バイクリルで3針縫合固定した.術後経過は良好で,再発は認められていない.

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