報告の背景と目的 コンビニエンスストア
・チェーンをめぐっては,一昨年2016年9月に,店舗数第3位のFチェーンと第4位のCチェーンとが,前社を存続会社として正式に合併するといった大きな動きがみられた。両チェーンは今後,前社へのブランド統合がはかられていくことが報道されている.
そこで本報告では,この合併の前後に名古屋市内の各
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・チェーン店への聞き取りなどをもとに,それ以前に同市内で進んでいた
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・チェーン店舗の再編と,合併から1年間での再編状況について紹介する.
名古屋市と各コンビニエンスストア
・チェーン 名古屋市は,人口2,295,638名(2015年国勢調査)を擁する名古屋大都市圏の中心都市である
(図).同市は16区で構成されており,うち中区,中村区,熱田区,南区,瑞穂区,昭和区,千種区,東区と,北区・西区の庄内川より南側は,古くからの市街地となっている.これに対して,港区・中川区の大部分と,緑区,天白区,名東区,守山区,北区・西区の庄内側より北側といった周辺の区は,1950年代以降名古屋市に合併され,比較的新しい時期に市街地が展開された地域である.
そして名古屋市内においては以前,同市北側の稲沢市に拠点会社のある
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Cチェーンが店舗数で圧倒的なシェアを占めていた.しかしながら,国内最大のSチェーンが進出するようになった2002年頃から,FチェーンやLチェーンなども,同市内の中でも特定区に集中して店舗を立地させ,それらの区で大きくシェアを握るようになった
(表).そこでは各チェーンが,新規店舗の出店だけでなく,他チェーン店舗を「居抜き」的に自チェーン傘下とすることによる拡大もみせていた.
2016年10月以降の店舗再編
正式合併からわずか1年でCチェーンは店舗数を1/3近くに減らしたが,その減少は単にFチェーン・ブランドへの店舗転換だけでなく,店舗の整理にもよるものであった。そして,西区,中区,東区,熱田区などでは着々とこの店舗転換が進むとともに,すでに他チェーンも含めて店舗数が飽和状態に近かったこれら都心の区では,Cチェーン店舗の閉店が目立った
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今後,報告時までに,こうしたCチェーン店舗の整理の進展と各店舗の諸条件との関係や,Cチェーン以外の
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店舗の動向についても,分析を進めたい.
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