主催: 日本地球化学会年会要旨集
本研究地域はインドネシアでも有数の金鉱床が集中するジャワ島西部に位置し、チサダン地域での地表調査がPT AGC Indonesiaによって2007年より開始された。しかしながらこの調査によって金鉱化作用に関連した地化学異常が認められたものの、開発に至るまでの基礎情報が不足しているのが現状である。そこで本研究ではチサダン地域に見られる金鉱化作用の特徴を採取した露頭・ボーリングコア試料を用いて、地質学・鉱物学的な観点より明らかにすることを目的とした。同定された変質鉱物である緑泥石・セリサイトの組み合わせより鉱化流体のpHが中性付近であったことが判明した。鉱石鉱物としては黄鉄鉱、黄銅鉱が支配的であり、少量の閃亜鉛鉱、方鉛鉱、銀鉱物も共生していた。エレクトラムは他形、又は半自形鉱物として他の硫化鉱物と共生して晶出していた。さらに石英脈は4つの異なるBandに分類され、エレクトラムは氷長石と相関があることが分かった。