日本看護科学会誌
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研究報告
ストレスマネジメントを目的としたリエゾン精神看護介入法の作成と評価
─炎症性腸疾患を抱える人々へのリラクセーション・認知行動療法─
金子 眞理子
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2009 年 29 巻 3 号 p. 3_76-3_84

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抄録

【研究目的】 「ストレスマネジメントを目的としたリエゾン精神看護介入法」を試行,評価することである.
【方法】 内容は〈リラクセーション法〉〈認知行動療法を用いた面接〉〈療養生活における心身のストレスマネジメントを中心とした看護相談〉からなる6セッションで構成される介入法を作成し,試行,評価した.
【結果】 対象は炎症性腸疾患を抱え社会生活を営む者4名で平均年齢は36.8歳であった.リラクセーション介入後はPOMS得点が低下し,気分のプロフィールは健康群にみられる氷山型を示した.主観的評定においては,「身体感覚」と「気分」にもたらす効果が認められた.対象群に特徴的な認知は「すべき思考」「マイナス思考」「レッテル貼り」であり,POMS,HADSの安定は5セッション項から認められ,セッションを重ねるにつれ,認知の歪みの頻度が低下した.
【結語】 介入後にSF-36v2™による心身の健康度が上昇したことから,本介入は,精神面の安寧とストレス対処,QOLに効果をもたらすことが示唆された.

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© 2009 公益社団法人 日本看護科学学会
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