Palliative Care Research
Online ISSN : 1880-5302
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原著
緩和ケア認定看護師の職務満足度およびバーンアウトの実態と関連要因
舩水 裕子安藤 秀明宮下 光令
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2016 年 11 巻 4 号 p. 274-281

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Abstract

【目的】①緩和ケア認定看護師の現在の活動状況・職務満足度・バーンアウトの実態を把握すること,②職務満足度とバーンアウトの関連要因の探索を目的に研究を行った.【方法】2008年に緩和ケア認定看護師362名を対象とし,その背景と活動状況,職務満足度,バーンアウト尺度からなる調査票を郵送した.【結果】有効回答を得た226名の調査票をロジスティック回帰分析をした.職務満足度の高い群と関連する項目は,「年齢が高い」「在職期間が長いこと」「目標を明確にしているもの」だった.バーンアウト群は44%で,関連する項目は,「職務満足度合計が低い」「勤務場所・形態が希望に沿っていない」「職業的地位」の満足度が低い,「婚姻してない」だった.【結論】年齢が高く,組織での意思疎通が図られていることが職務満足度を高くし,バーンアウトを回避していた.年齢が若く,組織での意思疎通が困難な者へのサポートが必要と示唆された.

緒言

緩和ケア認定看護師の資格認定制度は,1999年から始まった.2002年には,緩和ケア診療加算の算定が始まり,緩和ケアチームの設置が求められるようになった.そのため,緩和ケア認定看護師の中には,緩和ケアチーム専従になるものや,一般病棟に配属されるなど,活躍の場が広がった.しかし,他の看護師と同じ処遇で,認定看護師の役割を果たせるのか,どう活動をしたら良いのか,といった課題は多い1).さらに,がん看護に関わる看護師は呼吸循環器領域・リハビリ領域の看護師よりバーンアウト得点が高い傾向が指摘されている2).すなわち,緩和ケア認定看護師もバーンアウトのリスクが高い対象と考えられる.馬場ら3)は2005年に緩和ケア認定看護師の職務満足度およびバーンアウトの実態とその関連要因の探索を目的に,職務満足度とバーンアウト調査を実施し,緩和ケア認定看護師が活動するための課題を「自分の活動のビジョンや目標をもつことができるようなサポートが必要である.サポートのあり方について検討する必要がある.」と述べている.

2006年度には,がん対策基本法の制定により,がん診療連携拠点病院に緩和ケアチームの設置が義務づけられ,緩和ケア認定看護師の人数も増加傾向にある.その後は活動状況と職務満足度およびバーンアウトの実態は調査されていなかった.そこで,今回①緩和ケア認定看護師の現在の活動状況・職務満足度・バーンアウトの実態を把握すること,②職務満足度とバーンアウトの関連要因の探索を目的に研究を行った.

方法

1 調査対象 

日本看護協会に登録しており所属・氏名が日本看護協会ホームページに公表されている緩和ケア認定看護師で,研究者を除く362名(2007年緩和ケア認定看護師登録者420名中非公開者53名,研究者5名)4)を調査対象とした.

2 調査方法

調査対象者宛に,調査票を研究趣意書と共に郵送した.調査に協力が得られなくとも,不利益はないことを趣意書に記載した.調査票の返送をもって,調査の同意が得られたと判断した.返信は無記名で,返信者が特定できないようにした.調査期間は,2008年6~7月とした.

3 調査内容

①対象者の背景:性別,年齢,婚姻の有無 臨床経験年数,資格修得後の臨床経験年数,資格の更新回数,最終学歴,現在の勤務施設,勤務施設の病床数,現在の職場での在職年数,職位,勤務場所,活動形態について尋ねた.

②活動に対する認識:馬場ら3)の研究に準じて,活動に対する認識を尋ねる項目として「勤務場所および形態が希望に沿っているか」「勤務場所および形態を決定するために上司と十分話し合ったか」「緩和ケア認定看護師として十分活動ができているか」「緩和ケア認定看護師として自信がもてないと思うことがあるか」「組織内や身近に専門領域について相談できる人がいるか」「所属施設内で緩和ケア認定看護師として目標を明確にしているか」「年間の活動について院内に報告する機会があるか」「活動の自己評価を行っているか」について,「全くそう思う」「そう思う」「どちらでもない」「そう思わない」「全くそう思わない」の5段階リッカート法で回答を求めた.

③職務満足度:病院勤務の看護婦を対象とした職業への満足度の測定尺度.以下の7つの下位尺度からなる5)

「職業的地位」:知的職業,技術の有用性,職業上の地位に対する一般的感情

「医師看護師関係」:医師と看護師の職業的関わり

「専門職としての自律」:仕事に対する自律,主導権,拘束されない自由

「看護管理」:仕事の手順,人事の方針,方針を決定するにあたってのスタッフの参加

「給料」:労働の報酬と福利厚生

「看護業務」:規則に沿って行わなければならない仕事,患者ケアや管理的仕事に課せられる仕事

「看護師相互の影響」:職場での公式的あるいは非公式的な集団のふれ合いから生まれる好ましい環境

以上の各項目を0~6の7段階リッカート法で回答を求めた.さらに各項目につき,全て6点とした場合の合計に対する得点比を得点率とした.本尺度の信頼性・妥当性は尾崎らの報告で検討されている5)

④バーンアウト尺度(MBI-GS):日本語版Maslach Burnout Inventory-General Survey (MBI-GS)6).全般的な職業人を対象としたバーンアウト尺度である.疲弊感(仕事に由来する疲弊感),シニシズム(仕事に対する熱意や関心を失い,心理的に距離をおく態度), 職務効力感(仕事に対する自信,やりがい) の3つの下位尺度,計 16 項目からなる.各項目は,「全くない」「年に2~3回」「月に1回」「月に2~3回」「週に1回」「週に2~3回」「毎日」の7段階リッカート法で回答し,0~6点を付与する.

下位尺度ごとに得点を算出し,その合計点を項目数で割った値が下位尺度得点となる.疲弊感およびシニシズムは得点が高いほど,職務効力感は得点が低いほど,バーンアウト度が高いことを意味する.バーンアウトがおこるプロセスとして,最初に疲弊感が高まったのち,シニシズムの高まり,職務効力感の低下が生じると考えられている.本尺度の信頼性・妥当性は北岡(東口)らの報告で検討されている7)

4 解析方法

(1)調査内容①にある性別,年齢,経験年数,婚姻,認定からの期間,教育歴,勤務施設,病床数,転職歴,在職期間,職位,勤務場所,活動形態と調査内容②の活動に対する認識ついて,単純集計を行い対象の実態を明らかにした.回答を分析するために,「全くそう思う」,「そう思う」を「思う群」,「そう思わない」「全くそう思わない」を「思わない群」とし,「どちらでもない」と答えたものと合わせて,3群に分けた.

(2)職務満足度尺度は,各下位尺度および全体の合計点を算出すると共に,先行研究3)との比較のため,下位尺度について得点率(平均/最高可能得点×100)を算出した.

(3)職務満足度の合計得点と下位尺度得点を平均値で2値化したものを目的変数,調査内容①の対象者の背景を問う項目と,活動に対する認識を説明変数としたロジスティック回帰分析により多変量解析を行った.多変量ロジスティック回帰分析にあたり,変数減少法(P<0.05)により変数選択を行った.なお,ここで連続尺度を2値化してロジスティック回帰を行った理由は,2値化による検出力の低下を犠牲にしても,オッズ比というわかりやすい指標が得られることで解釈のしやすさを重視したからである.

(4)バーンアウト尺度は,疲弊感得点3.60点以上でシニシズム得点2.20点以上,または職務効力感得点1.83点以下をバーンアウトしている者とした7).具体的には,各下位尺度をその程度が「低い」(疲弊感では≤2.20,シニシズムでは≤1.00,職務効力感では≤1.83),「中程度」(疲弊感では2.21~3.59,シニシズムでは1.01~2.19,職務効力感では 1.84~2.99),「高い」(疲弊感では≥3.60,シニシズムでは≥2.20,職務効力感では≥3.00)の3つに分け,疲弊感が高くかつシニシズムと職務効力感の双方あるいはどちらかが高い (職務効力感では低い) 者をバーンアウト群とした.バーンアウトに関連する要因を探索するために多変量ロジスティック回帰分析を行った.目的変数はバーンアウト尺度の得点をカットオフポイントによって2値変数とし,説明変数は調査内容①の対象者の背景を問う項目,活動に対する認識,職務満足度下位尺度とした.多変量ロジスティック回帰分析にあたり,変数減少法(P<0.05)により変数選択を行った.

(5)統計解析は統計パッケージSAS Version9.3を用いた.

5 倫理的配慮

アンケート用紙に研究の目的・趣旨を記載し,調査票に回答することにより同意を得られたと判断した.アンケートで得られた情報は研究以外には使用しないこと,研究終了後は速やかに廃棄することを明記した.研究結果を公表する際には,個人が特定できるような方法では公開しないこととした.本研究については,中通総合病院倫理委員会の審査を受け,承認を得た.

結果

1 対象者背景と活動の現状(表1

有効回答率は65.5%(226名)であった.臨床経験年数の平均は,16.6±5.4年であった.認定看護師の資格取得後2.5±1.6年と経験の浅い者が多かった.勤務施設は,がん診療連携拠点病院が132名(58.4%)と多かった.職位は,主任クラスが93名(41.2%),看護師(スタッフナース)が90名(39.8%)だった.勤務場所は,一般病棟が77名(34.0%),ホスピス・緩和ケア病棟が48名(21.2%)だった.活動形態は,認定看護師としての活動以外の業務と兼任の者が180名(79.6%),認定看護師としての活動のみと答えた者が28名(12.4%)であった.

表1 対象者背景

2 緩和ケア認定看護師としての活動に対する認識

「現在の勤務場所および形態は自分の希望に沿っていますか」について,思わない群が32%だった.「緩和ケア認定看護師としての活動が十分できていると思いますか」については,思わない群が57%だった.「緩和ケア認定看護師として,どう活動してよいか迷ったり,自信がもてないと思うことがありますか」について,思う群が81%,「年間の活動について,院内に報告する場や報告書提出の機会がありますか」については,思う群が70%だった.

3 緩和ケア認定看護師の職務満足度および関連要因(表2, 3

職務満足度を得点率でみると,下位尺度7つのうち得点率の上位は,「看護師間相互の影響」「専門職としての自律」「職業的地位」であった.また,得点率が低かったのは,「看護業務」「給料」「医師看護師関係」であった.ロジスティック回帰分析による多変量解析では,「看護師間相互の影響」の満足度が高いものの背景要因として,在職期間が長いことがあげられた(odds ratio; OR=1.55).活動に対する認識との関連では,目標を明確にしていることが「看護業務」(OR=1.35)「職業的地位」(OR=1.50)「職務満足度の合計」(OR=1.40)との関連性が強かった.

表2 職務満足度の下位尺度得点
表3 職務満足度下位尺度と対象者の背景と活動に対する認識との関連性

4 緩和ケア認定看護師のバーンアウトと関連要因(表4, 5

バーンアウト群は44%であった.疲弊感の高かった者が62%,シニシズムが高かった者が39%,職務効力感が低かった者が38%であった.バーンアウトに関連する要因を探索したロジスティック回帰分析により多変量解析を行った結果を表5に示す.職務満足度の合計が低い看護師は,疲弊感が強かった(OR=1.05).

勤務場所および形態が希望に沿っていない看護師は,シニシズムが強かった(OR=1.56).職務満足度の下位尺度である職業的地位の満足度が低い看護師は,職務効力感が低く(OR=0.926),シニシズムが強かった(OR=1.144).対象者の背景としては,婚姻してない看護師の職務効力感が低かった(OR=0.547).

表4 バーンアウト尺度(MBI-GS)の下位尺度得点およびカットオフポイントで区切った場合の回答分布
表5 対象者の背景,活動の現状に対する認識,職務満足度下位尺度とバーンアウト尺度の関連性

考察

本研究の主たる知見は,1.活動形態は,認定看護師としての活動以外の業務と兼任の者が79.6%と多かった.活動に対する認識として,「認定看護師として自信がもてないと思う」と答えた者が81%と多かった.2.職務満足度の下位尺度と関連が高い項目は,「年齢が高い」「在職期間が長いこと」「目標を明確にしているもの」「自己評価をしている」で,これに当てはまる緩和ケア認定看護師の職務満足度は高かった.これは本研究で得られた新たな知見である.3.バーンアウト群は44%だった.関連要因は,「職務満足度合計が低い」「勤務場所および形態が希望に沿っていない」「職業的地位」の満足度が低い」,「婚姻してない」で,馬場ら3)の研究とは異なった結果であった.以下,1~3について考察する.

1 緩和ケア認定看護師の活動実態

馬場ら3)の研究と比較して,緩和ケアチーム所属者の割合が多かった.活動形態については,緩和ケア認定看護師としての活動のみと答えた者の全体に占める割合は少ないが,馬場ら3)の研究結果より多くなった.

このことは,2006年度に,がん診療連携拠点病院に緩和ケアチームの設置が義務づけられたことが影響していると考える.今後,厚生労働省の示している緩和ケアセンター構想では,がん看護関連の認定看護師または,がん看護専門看護師の資格を有している者2名以上の専従を義務化しており,緩和ケア認定看護師がその専門性を発揮しやすい環境作りを後押ししていると考える.一方,7対1入院基本料を得ている施設では,看護職員数が常時入院患者7人に1人以上であるという要件を満たす必要があり,施設によっては緩和ケア認定看護師が専従で働くことを困難にしていると考える.宮首ら8)は,認定看護師の役割ストレス(役割に関連する否定的な感情)の知覚が弱い者の特性として,「他の役割を兼務しておらず,認定看護師の役割に専念できる」としている.国の示す施策により,緩和ケア認定看護師の活動は影響を受けるが,組織内での位置づけは所属する組織の判断に委ねられる.認定看護師は,専門分野の活動に専念したいと志向する傾向にあるが,組織と話し合いながら,活動形態を検討する必要があると考える.

「勤務場所,活動形態が自分の希望に合っている」「上司と話し合っている」「所属施設における認定看護師としての目標を明確にしている」と答えたものの割合が馬場ら3)の研究と比較して多かった.「緩和ケア認定看護師として活動が十分できている」と答えたものの割合は,馬場ら3)の研究より多くなっている.1997年の認定看護師制度制定後,組織内での活動のあり方が検討されるようになったからではないかと考えた.一方,「活動に自信がない」と答えたものの割合が多かった.前述の宮首ら8)は,特性として,対人関係やコミュニケーションに自信があり,看護実践に研究成果を活用している認定看護師が,役割ストレスを低く知覚していると報告している.コミュニケーションスキルを磨くこと,研究成果を看護実践に活用することで,認定看護師として自信をもって活動できるようになるのではないかと考える.

2 緩和ケア認定看護師の職務満足度と関連要因

緩和ケア認定看護師の活動に対する認識と職務満足度下位尺度との関連性の検討は,本研究が初めてである.職務満足度の下位尺度と関連の強かった項目は,「年齢が高い」「在職期間が長いこと」「目標を明確にしているもの」「自己評価をしている」であった.職務満足度の合計点の得点可能な最高得点に対する割合の平均は70.2%で,一般看護師を対象とした中川らの研究9)では55.5%,馬場ら3)の結果の52%と比較しても高かった.活動に対する認識についての調査結果は,「勤務場所,形態が自分の希望に合っている」「上司と話し合っている」等,職務満足に影響するような項目に答えているものの割合が多かった.組織内で,目標や評価を明確にすることで,周囲のとの意思疎通が促進され,協力が得やすくなり,職務満足度を高くしているのではないかと考えた.在職期間が長く,年齢が高いものは,組織との意思疎通が図りやすいのではないかと推測される.一方で,井上ら10)が調査した「緩和ケア認定看護師の役割認識と背景との関連」の結果では,臨床経験年数の違いによらず,緩和ケア認定看護師の役割認識の低い項目は,「調整・組織への働きかけ」だった.職務満足度を高くするための方策として,緩和ケア認定看護師自身は,組織とのコミュニケーションを図ることを心がける必要があると考えた.また,年齢の若いものに対しては,組織との調整ができるよう教育する必要があると考えた.

3 緩和ケア認定看護師のバーンアウトと関連要因

本研究の対象者のバーンアウト群の割合は44%だった.馬場ら3)の結果の51%より,少なかったが,全体の半数近くを占めていた.下位尺度ごとにみると,疲弊感の高いものが62%で,シニシズムの高い者,職務効力感の低い者の割合は3割程度にとどまっており,これも馬場ら3)の研究と同じ傾向だった.疲弊感の高い状況が長期化し,バーンアウトへ陥らないような対応が必要である.職務満足度の下位尺度である「職業的地位」は,馬場ら3)の結果同様,バーンアウトと関連性が高かった.「職業的地位」の満足度が高くなること,つまり緩和ケア認定看護師としての知識,技術が認められ,その地位に対して良い感情をもてるようになることが,バーンアウト回避につながると考えた.

馬場ら3)の結果と異なった項目として,「勤務場所および形態が希望に沿っていない」「婚姻」の2つの関連要因があげられる.「勤務場所および形態が希望に沿っていない」ことは,シニシズムと関連性が高かった.希望に沿わない勤務状況は,仕事に対する関心を失わせていた.緩和ケア認定看護師の資格取得後に必ずしも希望する条件が叶うとは限らない.資格取得前に,看護管理者と話し合うことで,所属する組織に合った,資格取得後の勤務環境をイメージできるのではないかと考える.

「婚姻」と職務効力感の関連性については,結婚しているものは,結婚しても仕事を続けたいというキャリア動機をすでにもっていることが影響しているのではないかと考えられる11).また,家族として,他者から必要とされることや,相談できる人がいて孤独ではないことがバーンアウト得点に影響するのではないかと考えられる12).結婚していないことと職務効力感の低下には関連性があり,バーンアウトに陥る可能性がある.独身者でも,同僚や友人・知人との関係性を深めることで,バーンアウト回避ができるのではないかと考える.

4 本研究の限界と今後の課題

本研究の調査データは2008年のもので,その後のがん対策等の社会的背景の影響によって活動状況が変化している可能性がある.また,回答者は認定後の期間の平均が2.5年と,経験が浅いものが多く,結果を一般化し難い.2016年7月現在,緩和ケア認定看護師の数は1832人で,関連する分野であるがん看護専門看護師やリエゾン専門看護師の数も増加し,組織内や地域で求められる役割が変化していると考える.現時点での緩和ケア認定看護師の実態を調査し,活動のあり方を再び検討する必要があると考える.

結論

緩和ケア認定看護師の活動状況として,緩和ケアチーム所属者の割合が馬場ら3)の研究と比較して多く,活動形態は認定看護師としての活動のみと答えた者の割合が多かった.活動に対する認識としては,「緩和ケア認定看護師として,自信がもてないと思うか」について,思う群が81%,「年間の活動について,院内に報告する機会があるか」については,思う群が70%だった.

職務満足度の合計点の得点可能な最高得点に対する割合の平均は,70.2%と馬場ら3)の研究と比較して高かった.職務満足度の関連要因は,「年齢が高い」「在職期間が長いこと」「目標を明確にしているもの」「自己評価をしている」であった.

バーンアウト群は44%で,先行研究より少なかった.関連要因は,「職務満足度合計が低い」「勤務場所および形態が希望に沿っていない」「職業的地位」の満足度が低い,「婚姻してない」であった.年齢が高く,組織内でのコミュニケーションがとれていることが職務満足度を高くし,バーンアウトを回避していると考えられた.年齢が若く,組織内でのコミュニケーションを図ることが困難な緩和ケア認定看護師に対して,組織での調整や働きかけができるよう教育する機会が必要と示唆された.

References
 
© 2016日本緩和医療学会
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