パーソナリティ研究
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原著
サイコパシーが向社会的行動と身体的攻撃に与える影響
――情動的・認知的共感性による媒介効果
田村 紋女杉浦 義典
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2017 年 26 巻 1 号 p. 38-48

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抄録

サイコパシーは向社会的行動の低さや攻撃性の高さと関連する。共感性の欠如は一次性サイコパシーの特徴である。共感性は向社会的行動と攻撃性の双方を予測する要因として知られており,情動的共感性と認知的共感性にわけられる。しかし,サイコパシーと向社会的行動,攻撃性の関連に対して,共感性の下位次元が特異的に与える影響は不明確である。本研究では,一次性サイコパシーと向社会的行動の関連を情動的共感性が媒介し,一次性サイコパシーと身体的攻撃の関連を認知的共感性が媒介することを検討した。大学生132名が,サイコパシー,共感性,向社会的行動,攻撃性の指標で構成される質問紙に回答した。その結果,予想された媒介効果は双方とも有意であり,一次性サイコパシーの向社会的行動と身体的攻撃は共感性の異なる側面によって媒介されることが示された。本研究の結果は,サイコパシーの向社会性や反社会性のメカニズムの解明に寄与するだろう。

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© 2017 日本パーソナリティ心理学会
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