食品衛生学雑誌
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赤色102号中に微量存在するアゾ化合物の構造解析
合田 麻美堀川 学岩下 孝澤田 元充塚嵜 大輔橘 津義菅根 克己原田 雅己
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2013 年 54 巻 3 号 p. 188-197

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抄録

赤色102号(R102)から,これまでに報告されていない3種類の微量不純物色素(A1,A2およびA3)を検出し,その化学構造を解析した.A1はLC-MSおよびNMRスペクトルから,国内の指定外着色料であるアゾルビン(AZO)であった.A2は指定外着色料でありR102の不純物として知られるファストレッドE(FRE)の構造異性体であった.A3はR102の骨格を有する過剰反応物であると推測された.これら3種の赤色不純物色素はいずれもR102の製造工程における副生成物と推定された.また,製造工程で同じジアゾニウム塩を使用する赤色2号(R2)においてもAZOが含有されることを確認したが,いずれの不純物とも色素粉末中に数十~1,000 ppmレベルの検出であった.

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© 2013 公益社団法人 日本食品衛生学会
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