膵島移植は1型糖尿病の根治につながる治療法であり,2000年に発表されたエドモントンプロトコールと呼ばれる一連の技術革新を経て,その治療成績は大幅に向上し,世界で広く行われるようになった.しかしながら,移植後5年のインスリン離脱率は10~15%と低く,未だ発展途上の治療法である.膵島の生着状態を把握し,その状態変化に応じた治療方針を立案するためには,移植膵島を経時的に評価する非浸襲性の検査法を確立することが急務である.近年,MRIやPETなどの画像検査により,移植膵島の生着を評価する試みが進められている.膵島は400μm以下と小さく,従来の画像モダリティで同定することは不可能と考えられてきたが,膵島を標識することで,MRIにより捕捉できることが明らかになってきた.本稿では,膵島生着確認のためのMRI研究がどこまで進められてきたかを,著者らのデータを交えて紹介する.