美術教育学:美術科教育学会誌
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表現主題の言語化をさせる美術指導
有田 洋子
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2010 年 31 巻 p. 29-42

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抄録

本稿は,表現主題の言語化をさせる美術指導の可能性を実践を通して実証した。主題は表現の内容を方向づけて形式を含めた全てを統合する。ただ主題は最初は感覚印象としてあるので曖昧である。主題の言語化によって明確に認識させることができれば,美術表現の授業はより方法論的に遂行できる。主題の言語化の機能を1.生徒は自分の表現主題を明確に認識できる。2.それゆえ,制作が明確な方向性をもち安定する。3.教師は生徒の主題が言語化されているので生徒の意図を正確に把握し,指導も的確になると考えた。主題の言語化を伴う(1)水彩による自画像(2)人物クロッキー(3)色彩構成を高等学校で実践し,言語化の3機能及びその教育的可能性を実証した。

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© 2010 美術科教育学会
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