本稿は,地域の美術館で行った「地域との連携によるものづくり教育活動」の実践について,「地域の場」,「地域の素材」,「地域の人々」という3つの観点から,その有効性と問題点を追究した。実践を通して,参加者たちは地域の素材への関心を深め,人とのつながりや,場の環境によって,ものづくりに対する意識を高めていた事が,活動の様子やアンケートから明らかとなった。一方で地域との連携による活動が,一過性のものになってしまうという問題点も浮き彫りとなった。今後は,これらの問題点を解決するための方法について検討していきたい。