2010 年 31 巻 p. 199-210
生徒が自分なりの表現を探求することを促すために,鑑賞活動と連携した実技指導について考察する。鑑賞活動と表現活動の連携では,鑑賞活動において主題と表現形式を結び付ける作家の方法を学び,表現活動で自分なりの方法を模索することが重要と考えられる。美術作品の変遷を鑑賞することで,作家の探求した主題と表現形式の関連は理解が容易になる。本稿では,モネ《睡蓮》連作を題材に鑑賞し,複数の水彩風景画制作へとつなげる教材の開発を試みた。授業実践の結果,生徒はモネの主題表現の探求を活かし,主観的な表現で試行錯誤して主題の探求を行うことができた。